東京大学における研究紹介 CEE季刊誌 Newsletter 掲載内容より

上條研究室

上條俊介准教授
生産技術研究所 先進モビリティ研究センター

交通関連の研究

上條研究室では、情報工学的手法を駆使し、道路交通空間・歩行生活空間・生体内空間の安全安心に資する技術を開発している。 情報工学的手法の研究を基礎とし、交通工学・人間工学・生物学等の様々な分野と交わりながら、応用システムの研究を行っている。

(1)路車協調型安全運転支援技術

図1
 路側センサから交通状況を的確に把握し、危険状況をドライバに知らせることで事故を回避するシステムの開発を行っている。 人間工学の研究者との共同研究等により、ドライバ受容性を考慮したセンサ開発を行っている。


(2)車載画像センサの開発

交差点等の一般道にいて、歩行者や自転車を車の事故から守るための安全運転支援システムの開発が世界的に盛んに行われている。 当研究室では、独自の画像処理技術を活かし、歩行者や自転車を車載カメラから認識する技術を開発している。 どのような場合に危険と判断するか、ドライバ受容性等、トータルシステムの研究に取り組んでいる。

(3)人物行動把握の研究

駅・空港などの公共交通空間、デパートやショッピングモールなどの商業空間において、人物の異常行動を検知する技術を開発している。 近年、膨大な数の監視カメラが設置されるようになったが、監視を自動化し公共空間の安心を高めることに貢献したいと考えている。

(4)タンパク質工学

図2
 タンパク質の機能設計を目的として、情報工学研究室ならではのプロテイン・エンジニアリングを目指している。 ドッキングシミュレーションやファージディスプレイ法等を用い、ターゲットタンパク質と相互作用する低分子化合物やペプチドの探索を行っている。

CEE Newsletter No.8(2010.10) 掲載内容