東京大学における研究紹介 CEE季刊誌 Newsletter 掲載内容より

中野研究室

中野公彦准教授
大学院情報学環(兼)生産技術研究所先進モビリティ研究センター

交通関連の研究

研究概要

ダイナミクス、制御工学、信号処理技術を基盤としてモビリティ にまつわる研究を行っている。モビリティとは移動性や移動手段を 指す言葉で、自動車、鉄道、飛行機、船舶などはもちろんのこと、 自転車や歩行までも含まれる。移動は人間にとって不可欠な活動 だが、それに伴い、事故による人間の死傷や多大な二酸化炭素 が発生するなど、負の面も持ち合わせている。また、高齢社会が さらに進展していく日本においては、高齢者の移動手段の確保も 重要な問題である。環境、人間、機械の相互作用を考え、最終 的には人間を指向したモビリティの研究を行っていく必要がある。 そのため、新しいテクノロジーをベースにした今までにない個人用 ビークル(パーソナルモビリティ)の提案とその評価、新しい信号処 理法を用いた状態監視による車両の安全性確保、脳波、筋電位 計測、また発汗量の計測を通じた運転者の状態の推定、振動か らエネルギを発電することによりエネルギ供給が不要な車両サスペ ンション(セルフパワード・アクティブサスペンション)などの研究を進 めている。これらの研究を通じて、安全・安心で人に優しいモビリ ティの創出を目指している。
 主な研究テーマは以下の通りである。
  • 1.セルフパワード・アクティブ制御
  • 2.電磁サスペンションの研究
  • 3.パーソナルモビリティビークルの人間との親和性評価
  • 4.独立成分分析法(ICA)の車両振動解析への適用
  • 写真1
  • 5.パラレルファクタ分析(PARAFAC)による機械振動の解析
  • 6.ドライビングシミュレータ運転者の脳波解析
  • 7.筋電位測定による自動車の乗り心地評価
  • 8.発汗量など生理指標を用いた運転行動基礎解析
写真2

CEE Newsletter No.8(2010.10) 掲載内容