東京大学における研究紹介 CEE季刊誌 Newsletter 掲載内容より

須田研究室

須田義大教授
生産技術研究所 先進モビリティ研究センター

交通関連の研究

須田研究室では、制御動力学(Dynamic systems and control)を専門分野に、鉄道車両や自動車に関する運動力学・ 振動制御・マルチボディダイナミクス、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)や乗客の行動に基づく快適性 評価、省エネ型都市交通システムなどに取り組んでいる。

(1)鉄道の運動力学と制御に関する研究

鉄道車両がスムーズに曲線を曲がれることは、安全性の確保を はじめ、騒音、振動、軌道設備の負荷の減少に貢献する。鉄道 車両の要である台車を中心に、登場時から日本在来線の曲線最 速である383系しなの号用操舵台車を筆頭に、LRTの道路交差 点での曲線をスムーズに走ることを目標とした逆勾配独立回転車輪 輪軸、鉄道車両の脱線予兆検出とアルゴリズム、車輪やレールと 車輪の接触幾何等、様々な鉄道車両の運動力学に関する研究を 行っている。

(2)先進モビリティ(ITS)に関する研究

写真1東京大学生産技術研究所では、産業界、官界、学界が密接 に連携してITSの研究開発・普及を進める「先進モビリティ研究セ ンター(ITSセンター)」を 2009年4月に発足させ、「人・クルマ・イ ンフラが連携する高度道路交通システム」という従来の枠を超え て、エコでヒューマン・フレンドリーな移動の実現に有用なITS技 術の研究開発に取り組んでいる。公共交通によるサポートが困難 な極短距離の輸送を担うエコライドの開発、自転車と自動車・歩 行者との中間的な機能を期待するパーソナルモビリティ・ビークル (PMV)の開発にも取り組んでいる。2009年6月に内閣府・社会 還元加速プロジェクトでITS実証実験モデル都市に追加認定された柏のITS推進協議会では、次世代モビリティを扱う第4部会を 主担当している。
写真2

CEE Newsletter No.8(2010.10) 掲載内容