セミナー・講演会 Seminar and lecture
第12回コプロワークショップ (2013年1月31日開催)
エネルギー・物質の併産(コプロダクション) およびエクセルギー再生による 革新的省エネルギーと次世代産業基盤の構築
主催: | 科学技術振興機構(JST) |
| 戦略的国際科学技術協力推進事業 日本-カナダ(NSERC)研究交流 |
| 東京大学エネルギー工学連携研究センター (CEE) |
協賛: | 東京大学エネルギー・資源フロンティアセンター (FRCER) |
| 東京大学先端電力エネルギー・環境技術教育研究センター (APET) |
| 化学工学会エネルギー部会、日本エネルギー学会、日本機械学会、 日本化学会、エネルギー・資源学会、日本鉄鋼協会(依頼中) |
日時: | 2013年1月31日(木) 13:00〜17:30 (受付開始 12:30) |
会場: | 東京大学生産技術研究所 コンベンションホール(An棟 2階) |
多くの方にご参加頂き、無事終了いたしました。
趣旨
従来のエネルギー有効利用の原理であるエネルギーカスケーディングに代わるエネルギー利用原理として、劣質化したエネルギーを再生させ循環利用する「エクセルギー再生」を提案してきた。熱エネルギー利用において、従来は燃料を燃焼させて熱を発生させ加熱していたのに対して、一切加熱すること
なく熱を完全循環利用する(自己熱再生)。これによって、燃焼加熱に比べてエネルギー消費を1/5〜1/20と革命的に削減することが出来る。自己熱再生技術は、蒸留、ガス分離、濃縮、乾燥など、全ての熱的プロセスに適用することが可能であり、加熱炉・ボイラーをコンプレッサーと熱交換器で置き換え、産業基盤、物質生産とエネルギー生産のあり方を根底から変革する可能性を秘めている。
今回のコプロワークショップでは、エネルギーの熱利用、動力・電力利用、物質生産において、燃焼・加熱に変えて熱エネルギーをエクセルギー再生させ循環再利用することで超燃焼を実現させ、燃焼にともなうエクセルギー損失をゼロにすることで、エネルギー有効利用を図る新しいエネルギー利用原理について解説するとともに、濃縮・脱水、乾燥、海水淡水化、化学吸収CO2 分離、PSA・TSA ガス分離、蒸留など、多くの熱的単位操作の自己熱再生化の事例を紹介する。また、超高効率発電が可能なエクセルギー再生エネルギー変換について議論する。
プログラム
13:00-13:05 | 開会の挨拶 |
13:05-14:00 | エクセルギー再生工学の基礎 |
エネルギー熱利用において、燃焼・加熱ではなく熱エネルギーを再生循環利用する自己熱再生を中心にエクセルギー再生工学の理論についてまとめる。 |
東京大学エネルギー工学連携研究センター 堤 敦司 |
14:00-14:30 | 自己熱再生を用いた熱循環濃縮・脱水システムの研究開発 |
製薬・食品、さらには廃液や海水の蒸発・濃縮脱水システムを対象とし、その大幅な省エネルギー化を図ること、さらには運転性や経済性を考慮した実用可能なシステムの設計を行う。 |
大川原化工機 根本源太郎 |
14:30-15:00 | バイオマス、褐炭、汚泥などの自己熱再生流動層乾燥技術 |
褐炭、バイオマスの乾燥、汚泥・スラッジの乾燥など、大量のエネルギーが消費されている乾燥プロセスにおいて、自己熱再生技術を適用した流動層乾燥プロセスについて解説する。 |
東京大学エネルギー工学連携研究センター 石束真典 |
15:00-15:15 | コーヒーブレーク |
15:15-15:45 | 自己熱再生蒸発法による海水淡水化プロセス |
エネルギー多消費であった従来の蒸発法による海水淡水化プロセスに対して、自己熱再生技術を適用することでエネルギー消費を約1/5までに低減できる革新的な海水淡水化プロセスを提案する。 |
東京大学大学院機械工学専攻 水野寛之 |
15:45-16:15 | 自己熱再生ガス分離技術 |
化学吸収CO2分離(アミン法)、PSA・TSA、深冷分離などガス分離においてエクセルギー再生技術を適用することで大幅な省エネ化が図れる。ここでは、理論を解説するとともに具体的な自己熱再生ガス分離について紹介する。 |
東京大学エネルギー工学連携研究センター 苷蔗寂樹 |
16:15-16:45 | コプロダクションとコプロピンチ |
コプロダクションの重要技術のひとつである自己熱再生技術を化学プロセスへ適用した省エネ化事例を報告する。
そして、今後のコプロダクションの適用進展を踏まえ、評価解析技術として開発したコプロピンチを紹介する。
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千代田化工建設 松田一夫 |
16:45-17:15 | 超高効率石炭ガス化発電S-IGFC |
水蒸気ガス化とSOFCを組み合わせ、SOFCの排熱をガス化吸熱反応の反応熱としてエクセルギー再生させる水素と電力のコプロダクションシステムは、燃焼過程がないためエクセルギー損失がほとんどない高効率システムとなる。石炭のみならず、バイオマス、天然ガス、重質油などすべての炭素系資源に適用でき高効率変換が可能となる。 |
東京大学エネルギー工学連携研究センター 堤 敦司 |
17:15-17:30 | 総括討論 |
17:30- | 意見交換会 |
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