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セミナー・講演会   Seminar and lecture

第17回 コプロワークショップ(2018年1月22日開催)

エクセルギー再生およびコプロダクション
による革新的省エネルギーと次世代産業基盤の構築


主 催:東京大学エネルギー工学連携研究センター(CEE)
共 催:科学技術振興機構(JST)
協 賛:東京大学エネルギー・資源フロンティアセンター(FRCER)
 東京大学先端電力エネルギー・環境技術教育研究センター(APET)
 エネルギー総合工学研究所、石炭エネルギーセンター
 化学工学会エネルギー部会、日本エネルギー学会、日本機械学会、日本化学会、
 エネルギー・資源学会、日本鉄鋼協会、粉体工学会(依頼中)
日 時 : 2018年1月22日(月)13:00〜(受付開始時刻 12:30)
場 所 : 東京大学生産技術研究所(駒場リサーチキャンパス内
  コンベンションホール(An棟 2階)
参加費 : 無 料(ワークショップのみご参加の方)(事前登録制)
意見交換会 : 4,000 円
降雪の中、多くの方にご参加頂きまして誠にありがとうございました。
おかげ様で無事終了致しました。
趣旨:
 現在のエネルギー利用は、燃料を燃焼させ熱を発生させて、熱エネルギーを利用する燃焼・加熱が基本である。エネルギーは保存されており、加えた熱エネルギーは全てそのまま捨てられている。これに対して、自己熱再生は、圧縮仕事を加えることにより自己熱をエクセルギー再生させ、循環利用するもので、エネルギー消費量を 1/5〜1/20 に劇的に削減することができる。これまで、蒸留、乾燥、濃縮など多くの熱的プロセスに適用し、大幅な省エネを実現させてきた。また、動力利用においても、燃焼によって熱を発生させ熱機関で動力に変換しており、熱利用と同様に燃焼で多くのエクセルギー損失が発生している。これに対して、これまで議論してきたように、物資とエネルギーを併産(コプロダクション)することで、エクセルギー損失を大幅に低減することができる。
 このワークショップでは、まず、最新のエクセルギー再生について議論し、エネルギー多消費プロセスへの自己熱再生技術を適用して省エネルギー化を図った事例を紹介するとともに、エクセルギー再生の理論的到達点を共有する。そして、革新的エネルギー貯蔵・輸送技術を核としたエネルギーネットワーク、エクセルギー再生による水素・電力コプロダクションなどについて議論し、次世代産業基盤の構築に向けた技術戦略について考える。
プログラム
13:00-13:05開会の挨拶
東京大学エネルギー工学連携研究センター センター長  鹿園 直毅
13:05-13:55エクセルギー再生とコプロダクションの理論体系
 エネルギーはエクセルギー(取り出し得る最大仕事)とアネルギー(環境温度の熱エネルギー)からなっている。エクセルギーとアネルギーの和、エネルギー量は保存されているが、不可逆過程でエクセルギーがアネルギーに転化する(エクセルギー破壊)。したがって、まず、できる限りエクセルギー損失を最小化するとともに、このエクセルギー破壊を補償するだけの必要最小仕事を加えれば、エクセルギーは再生され、エネルギーを完全に循環再利用することができる。この場合のエネルギー消費量はエクセルギー破壊を補償するのに加えた必要最小仕事量と等価である。また、このエネルギーは環境温度の熱エネルギーの形で捨てられている。しかしながら、現在のエネルギー技術体系では、このエクセルギー破壊を補償するのに加えた必要最小仕事量の数倍から数十倍と無駄にエネルギーを消費している。ここでは、最新のエクセルギー学について議論し、理論を共有する。
東京大学エネルギー工学連携研究センター  堤 敦司
13:55-14:25自己熱再生による化学品製造プロセスの省エネルギー化
 オイルショック以降、ヒートインテグレーションを行い、産業部門の省エネルギー化を進めてきたが、現在も産業部門は日本全体の 45%以上のエネルギーを消費している。特に、化学産業はその産業部門のエネルギー消費の約1/3 を消費しているといわれており、革新的な省エネルギー技術の開発が必要不可欠となっている。その中で、プロセス流体自身の持つ熱のエクセルギーを再生させ、循環再利用する自己熱再生が提案されてきた。本講演では、その自己熱再生をメタノール合成といった化学品製造プロセスに適用した例とともに、自己熱再生による省エネルギー効果やその検討結果についてまとめた内容を紹介する。
東京大学エネルギー工学連携研究センター  苷蔗 寂樹
14:25-14:50自己熱再生による省エネルギー型精製プロセス
 化学産業の分離精製技術の中で、蒸留は現在も重要な役割を果たしているが、蒸留は既に確立された技術と評される一方で蒸留工程のエネルギー消費の割合は非常に大きく、その省エネ化に向けて様々な研究と実証がなされており、現在も進化を続けている。自己熱再生技術も注目される一つの技術であり、その特徴は蒸留塔単体のみではなく、蒸留塔プロセスとして、あるいは製造プロセス全体としてのエネルギー消費最小化の可能性を示せることである。ここでは、エタノール精製プロセスでの省エネ化を中心に実装に向けた検討事例について紹介する。
三菱ケミカルエンジニアリング  山崎 幸一
14:50-15:20グリーンアンモニア製造におけるカーボン・フットプリントの一考察
 昨年 12 月 26 日に経産省から水素戦略の改訂版が公表された。水素は 2 次エネルギーとして電力需給調整、エネルギーキャリアとしての重要性が指摘される一方、課題も指摘されている。ここ数年、利用技術を中心として開発の進んだアンモニアが戦略の 1 つとして加えられた。課題はいかに CO2 フリーにするかである。ここでは、化石資源由来の原料、再生可能エネルギー電力からのアンモニア製造双方における CO2 発生をプロセスの特徴から考察する。肥料利用におけるアンモニアでは(温暖化係数の大きい)N2O発生が大きな課題であるが、燃料利用の場合にはどうかも考察する。欧州での水素 LCA評価の先例を学びながら水素、アンモニアの LCA 評価にも言及する。
東京工業大学・名誉教授  秋鹿 研一
15:20-15:30コーヒーブレーク
15:30-17:3015:30-16:45 パネルディスカッション
17:30-17:3516:45-16:55 閉会の挨拶
17:45-17:00-19:00 意見交換会
 
Copyright(c) Collaborative Research Center for Energy Engineering(CEE), The University of Tokyo