東京大学における研究紹介 CEE季刊誌 Newsletter 掲載内容より

藤井研究室

藤井康正教授
工学系研究科 原子力国際専攻

太陽光発電の研究

太陽光発電システムの研究

● 分散型エネルギーシステムの導入拡大が
    日本のエネルギー需給に及ぼす影響のボトムアップ評価
従来からの電力ネットワークに加え、分散電源を効率良く配置 し結合できれば、経済的にも環境的にも優れた電力供給システム を形成できる。本研究では、個々の家庭でのエネルギー需要を模 擬する積み上げ形のシミュレーションモデルと、太陽電池や燃料 電池などの家庭における分散電源の最適導入戦略を導出する確 率動的計画モデルとを統合したエージェントモデルを構築し、数 千件オーダーの家庭のエネルギー需給パターンを模擬的に生成 し、分散電源の大量導入が 系統電源の計画運用に与える影響 なども評価する。

● 小規模自律分散型電力供給システムの協調的運用に関する研究
太陽電池や燃料電池などの分散型電源、そして二次電池な どの分散型電力貯蔵装置の普及が見込まれている。また、情報 通信技術の進歩により実時間料金制の実現可能性も高まってい る。本研究では、証券取引場の売買方式やインターネットのパケッ ト伝送方式を参考に、局所的価格情報による自律分散制御と戦 略的意思決定による間欠的送配電を基本とした革新的な電力 ネットワークの構築方式を提案し、数値シミュレーションを通してそ の可能性評価を行う。
CEE Newsletter No.3(2009.1) 掲載内容