東京大学における研究紹介 CEE季刊誌 Newsletter 掲載内容より

吉田・神原研究室

吉田豊信教授、神原淳講師
工学系研究科 マテリアル工学専攻

太陽光発電の研究

太陽電池の効率向上・生産技術改良に関する研究


熱プラズマと低圧プラズマの中間領域にあるメゾプラズマに着 目し、結晶系シリコン薄膜の低温度・高速・高原料利用効率での 堆積を可能とする新技術開発を進めている。当該プラズマは、低 ガス・電子温度と高速プラズマ流の特徴を有するため、低イオン 衝撃、低融点基板利用、高原料ガス流束が期待される。これは、 高品質・低温度・高速・高効率原料利用が求められるジャイアン トエレクトロニクス製造プロセスの技術要件に整合し、本プラズマ を基本とした新たな超高速・大面積薄膜化技術としての可能性 が考えられる。実際、シランガスを用いたメゾプラズマCVDにより、 1μm/secでのガラス基板上への多結晶シリコン厚膜堆積、基板 温度350℃で堆積速度40nm/sec以上での良好な電気特性を示 すエピタキシャルシリコン堆積を実証している。また、特異な低温 高速エピタキシー成長を特徴付ける結果として、X線ビーム散乱 その場計測法によりナノクラスターをエピタキシャル成長時の前駆 体として確認しており、本クラスター堆積を基本とした現行薄膜化 プロセスとは全く原理を異にする新堆積技術の提案とその学術的 基盤の確立を目指している。
CEE Newsletter No.3(2009.1) 掲載内容