二次電池・キャパシタの開発

リチウムイオン電池は高エネルギー密度を持つが出力密度（高 速充放電特性）が低く、電気自動車補助電源等への応用へはそ の向上が求められている。その実現のため､微細構造を制御した 電極材料の設計、開発を行っている。高速充放電には、リチウム イオンが挿入脱離する活物質の薄膜化、電極内にリチウムイオン が到達しやすい多孔体構造、および高電子導電性が求められる。 そこで、チタン酸やマンガン酸などの層状構造体を層間剥離・再 構築することにより得られる厚さ数nmのナノシートを電極活物質と して用いる研究を進めている。多孔質カーボン骨格の孔内に酸化 マンガンナノシートを固定化した複合化正極（図1）では、従来の電 極に比べて著しく高速な充放電特性が発現することを見出してい る。さらに、グラファイトから得られるグラフェンナノシートの負極材 料への利用やリチウムイオン導電性物質のナノシート化など、全固 体リチウムイオン薄膜電池の実現に向けての研究を進めている。