東京大学における研究紹介 CEE季刊誌 Newsletter 掲載内容より

荻本研究室

荻本和彦特任教授
生産技術研究所 エネルギー工学連携研究センター

エネルギー・環境問題のモデル分析

エネルギー問題と環境問題の同時解決による真に持続可能な産業・社会基盤の確立を目指して、荻本研究室ではエネルギーインテグレーションとして持続的なエネルギー・物質需給システムに向けた以下の研究テーマに取り組んでいる。

(1)エネルギー技術戦略

真の持続性とそこに向けた段階的移行の接続性、不確実性に対する頑健性を備え、環境問題を解決できるエネルギーの安定供給を図るべく、2100年、2050年、2030年までのエネルギー技術戦略の立案と、これらの基準となる評価指標体系の策定を並行して実施する。

(2)長期物質・エネルギー需給解析・評価

物質とエネルギーを統合して取り扱い、真の持続的社会経済の実現に不可欠な生産・利用・再生の新しい技術を、設備の新設・廃止を含めて段階的に実現してゆくための解析・評価ツールを開発し、これを用いて地域、国、世界のエネルギーシステムのあり方を考える。

(3)動的エネルギー需給解析・評価

出力変動の大きい太陽光発電などの再生可能エネルギーや調整機能の小さな原子力発電などの増加と、需要側の貯湯槽や蓄電池などといったエネルギーを貯蔵できる設備の導入普及など、長期のエネルギー需給に大きな影響を与える技術を含めた動的なエネルギー需給計画の解析・評価を行うためのツールを開発し、それらを用いてエネルギーシステムを計画・評価を行なう。
図1
CEE Newsletter No.6(2010.1) 掲載内容