東京大学における研究紹介 CEE季刊誌 Newsletter 掲載内容より

島田研究室

島田荘平准教授
新領域創成科学研究科 環境学研究系 環境システム学専攻

エネルギー・環境問題のモデル分析

地球環境を考えると、自然界における物質循環に、人間による資源の開発、利用、廃棄というバイパスが挿入されたと捉える必要がある。この人工的なバイパスにおいて、鉄や石灰岩などの鉱物資源は、エネルギーを利用することにより再生・循環させることが可能である。一方、エネルギー資源は消費のみで、その再生、循環は不可能である。このような観点に立って、人工的バイパスにおけるエネルギー効率を最大にするとともに、地球環境への負荷を最小にするような技術の開発が望まれる。
 島田研究室では、エネルギー資源関連の要素技術の開発およびエネルギーシステムの環境・経済性評価に関する研究・教育を行っている。地球温暖化ガスの制御、未利用エネルギー資源の利用、廃棄物の循環・再資源化に関する技術・システム評価を対象に、以下のようなテーマの研究を行っている。

(1)Energyグループの研究テーマ

図1
  • ● コールベットメタン増進回収シミュレーターの開発
  • ● CO2固定プロジェクトの環境経済性評価
  • ● 中国におけるCO2地中固定の可能性評価
  • ● CO2炭層固定メカニズムの解明
  • ● 石炭へのCO2吸着・置換実験
  • ● 石炭技術と関連したアジア地域の長期エネルギー需要予

(2)Wasteグループの研究テーマ

図2
  • ● 畜産系廃棄物の処理システム(岩手県、群馬県)
  • ● 一般廃棄物の処理システム(石川県、長江デルタ地域)
  • ● 流動層を用いた廃棄物の熱分解・ガス化
  • ● マレーシアにおけるパーム残さ利用発電システムの環境・経済評価
  • ● フィリピンにおける埋め立てガス発電のLCA

CEE Newsletter No.6(2010.1) 掲載内容